渋谷さんの朝は早い。午前5時には目を覚まし、自宅裏にあるビニールハウスで、鉢などに植えられたバラの一本一本に、丁寧に目を配る。一つの枝に数個の芽が付いているのを見つけると、幾つかを摘んでいく。養分を一つの芽に集中させ、大輪の花を咲かせるための「芽摘み」という作業だ。
手入れのほとんどを手作業で行うため、丸1日をバラの世話に費やすこともあるが、「毎日、くまなく見ないと、ちょっとした変化を見落としてしまうから」と笑顔で話す。
出展前には、コンテスト当日に花が咲くよう、綿密な計算に基づいた手入れを心掛ける。バラのつぼみに切れ目ができ、開花が近づくと、水や肥料を控えて花の咲くタイミングを調整。そのほかにも、鉢植えを日陰に置いたり、まわりの温度を調整したりと工夫を凝らしている。
バラに興味を持ったのは、妻の素子さん(67)の影響。それまで盆栽などを趣味にしていたが、素子さんがコンテストに出展するバラの持ち運びを手伝ううち、自然と興味がわいた。もともと凝り性だったため、始めるとのめり込むのも早かった。
栽培方法を学ぶため、大会で知り合った愛好家を訪ね歩き、広島、福井、岩手など、全国に足を運んだ。育て方を教えてくれた友人とは、かけがえのない仲間になり、今でも互いに家を訪ね合ってバラ談議に花を咲かせている。
そんな努力が実を結び、2000年に「武蔵野バラ会」が主催したコンテストで1等を獲得。以来、国内の大会では入賞の常連となっている。今年5月に埼玉県所沢市の西武ドームで開かれた「国際バラとガーデニングショウ」では、淡いピンク色で、花びらが力強く開いた「手児奈(てこな)」という品種を出展し、4年連続で大賞を獲得した。
6月には、「日本ばら会」の理事として、カナダで開かれた「世界バラ会議」に参加。ガーデニングショウで大賞を受賞したバラを持っていったが、開花のタイミングが合わなかったため、コンテストへの出展は見送った。
「バラは、面倒を見た分だけ、きれいな花を咲かせてくれる。そこが面白い。今は、3年後に南アフリカ共和国で開かれるバラ会議への出展を目標にしている」と話す渋谷さん。バラへの愛情は尽きることがない。
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私も60歳を過ぎたらバラの栽培を本格的に手がけてみたいものです。その年までに資産を蓄えないと・・・。